あなたが経営者であれば、
「資金があと少しあれば面白い企画ができるのに・・・。」
と言ったことを考えたことはありませんか?
こういったように新規で何をするにしても資金問題や人員確保、集客などの問題が出てきます。
中でも資金問題というのは、小規模事業者であれば真っ先に課題として上がってくるような問題です。
今回は、大分県の別府市が行っているクラウドファンディングから、小さな会社が資金を調達する方法を、あなたの会社でも利用できる形でご紹介していきます。
大分県別府市に学ぶ、小さな会社の資金調達方法とは?
そもそもクラウドファンディングって何?
まずクラウドファンディングってどのようなものかをお伝えすると、自分の発案している企画に対して、インターネットを経由して他の人に出資してもらおうといったやり方です。
これは企画段階で、
・あなたの企画に賛同してくれる人がいるのか?
・この企画に需要はあるのか?
と言ったことも事業を始める前にあらかじめわかるため、無駄に企画を起こして新規事業に無駄な資金を投資しなくてもいいというメリットがあります。
そして、資金を提供してくれた人は、あなたの企画に賛同してくれているので、資金提供者=見込み客となります。
企画当初で大いに頭を悩ませる集客が、クラウドファンディングに投稿することにより、ちゃんと集客できるのかある程度がわかります。
ここでは、別府市で行われているクラウドファンディングがどのようなものなのかを見ていきながら、あなたの事業への応用方法も考えてみましょう。
別府市のクラウドファンディング「湯〜園地」計画とは?
別府市の“遊べる温泉都市構想”の第一弾「湯〜園地」計画とは、日本有数の温泉地ならではの企画で、温泉につかりながら遊べる遊園地を作るといったものです。
これは別府市が発案(?)ですが、税金等は一切使わずに計画を出資金を元に作り上げるといった一大プロジェクトになっているのです。
そのための開発動画であったり、広報は別府市長が出ており、今別府のPR活動として最も力を入れているのではないでしょうか?
最近有名になったシンフロのCMを筆頭に、PRに力を入れている別府市の活動は面白いものが多く、今回のクラウドファンディングでも、一億円の出資金を目指して、お客さんの目を引く活動しています。
この活動で大きな宣伝力となっているのは、別府市長が主体となってこのクラウドファンディングの企画を盛り上げているという点です。
やはりメディアの力は強く、出資先も大手の企業が多く、開発に必要な費用を出資していたり、出資金にカウントされないところでも大きな資金が動いているような気がします。
この企画のポイント
ここであなたに知ってもらいたいことは、この別府市の企画の肝は、出資金を募ることと同時に入園券をお礼としてプレゼントしているところなのです。
そうです、出資金と言いつつも結局やっていることは、開園と同時にお客さんを呼び込む集客活動なのです。
これがもし普通に企画してしまってからの集客となると、こんなにもお客さんは集まってこないと思います。
(かなりの人数集まるでしょうが、普通にやっていたらここまで集客できないと思います・・)
企画段階からお客さんに参加してもらうという体を取っているところがクラウドファンディングの巧妙なところです。
企画がダメだったらそもそもお金がかかることがないのです。
これってすごいことだと思いませんか?
このクラウドファンディングは、どんな人でも企画して投稿できるものとなっています。
投稿している企画を見てみると、一般の方がボランティアの出資をお願いしているような形のものもあります。
ここで大事なことは、いかにお客さんに企画を共感してもらうか、見返りとして出資者への対応をしっかりしていき、いかにあなたの企画に大勢を巻き込むのかということにかかってきます。
なのであなたの企画力も同時に試されることになるのです。
別府市が行ってきたこの方法は、クラウドファンディングでは当たり前に行なわれている戦略なのですが、その出資金額に対するお返しのバリエーションの多さが、対象とするお客さん別にしっかりと練りこまれた戦略を感じます。
家族向けに4人分のチケット方式を取ってみたり、企業向けに出資してくれた方向けの花火の打ち上げを企画してみたり、1億円の出資で1日貸切を行う特典をつけてみたり、こんなに高額の出資をする人がいるの?と疑問に思ってしまうような高額出資特典も用意しています。
マーケティングを少しでも学んでるあなたなら、これがどう言った意図があるのかお気づきだと思いますが、これは看板商品的な位置づけの商品になります。
買う買わないといったことでなく、あくまで広告効果の高さをアピールする意味合いがこういった商品にはあります。
出資されないかもしれませんが、こういった商品を用意していないと、1億用意しようと思っている人をその下の金額の商品までしか出資してもらうことができないのです。
そんな人いればの話ですが、可能性としては決して0ではありません。企業出資ということも考えられますので・・・。
こういったターゲットまでしっかりと対象としているのは、計画構想がどれほどの期間をかけて練られたものか非常に興味があります。
あなたもクラウドファンディングを利用して、資金調達に挑戦しようとするのであれば、
・しっかりとした計画
・しっかりとした出資に対するお礼
を用意しておくと良いでしょう。
お礼は、今後のあなたの企画商品を買ってもらえる、取引が継続していくようなものが理想です。
あなたが行う企画が本当に価値あるものであれば、自然と出資してくれる人は現れてきます。
いかに共感を得ることが難しいのかを実感することもあるでしょう。
しかし、共感してもらったその先にしか、利益とは生まれてこないのです。
利益とは、あなたがお客さんにもたらしたサービス価値の対価として、支払われるものです。
共感してもらうことがいかに大切かを学ぶいい機会にもなりますので、あなたも是非クラウドファンディングに挑戦してみてください。